スカーフや日本の着物・半纏などのデザインを、独自の観点からアップサイクルするブランドがあります。
その名も【Dr.Collectors(ドクターコレクターズ)】。
彼らの作り出す作品やコンセプトには、私も多大な影響を受けています。今回は、そんな【Dr.Collectors(ドクターコレクターズ)】の歴史やルーツに迫ります。
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Dr.Collectors(ドクターコレクターズ)の作品
このブランドの作品の特徴を私なりに2つ挙げるとすれば、<インディゴ染め(藍染)>と、<日本の着物(半纏)>が挙げられます。
実際にいくつかコレクションを見ていきましょう。
まずは、日本の半纏のデザインに、デニム素材と彼独自のセンスをミックスさせたような作品です。
http://www.drcollectors.com/
パッと見は日本の半纏のようなどこか懐かしいデザインなのですが、その凝ったディティールと濃いインディゴの生地が、それを全く新しい服へと昇華させています。
次は、ビーズと荒縄を組み合わせたような、珍しいネックレス。
http://www.drcollectors.com/
全く違う素材を、ここまで自然に馴染ませてアクセサリーに落とし込む技量が、彼のデザイナーとしてのセンスの高さを感じさせます。
また、日本独自の技法(デザイン)も多用されており、こちらのデニムシャツには刺し子(日本古来の技法で、藍色の布に白い糸で模様をつける)のような模様が、デザインとして組み込まれています。
http://www.drcollectors.com/
和洋折衷という陳腐な言葉では言い表せないほど、彼らの生み出す作品には二つの文化がこれまでにないほど自然な形でミックスされています。
それこそが、彼ら【Dr.Collectors(ドクターコレクターズ)】の大きな魅力の一つと言えるでしょう。
【Dr.Collectors(ドクターコレクターズ)】の歴史
【Dr.Collectors(ドクターコレクターズ)】は、一人の男によって誕生しました。
それが創業者兼デザイナーである、Olivier Grasset(オリビエ・グラッセ)です。
<生粋のヴィンテージ・コレクター>
フランス出身の彼は、15歳の頃から日本の様々な藍染の衣服や、アメリカやフランスのヴィンテージワークウェアを愛し、収集していました。
その後、1980年の2月にはフランスのプロヴァンス地方にある小さな町、オレンジでエドワード(Edward)という名前の店を開き、そこで60年代のヴィンテージのリーバイスのデッドストックなどを売っていました。
1983年には、フランスで初めてストーンウォッシュを導入した会社、Libertoというブランドでデザインのキャリアをスタートさせました。
さらに1986年には、日本でも人気を集めるフランスのブランド、Chipieに移籍しました。彼はその会社に2000年まで在籍することになります。
<運命的な出会い:ローズボウル>
Chipieを退職したオリビエは、家族を連れてLA(ロサンゼルス)に移住します。
そこで開催されていた、世界的にも有名なフリーマーケット:ローズボウルで、彼は運命の出会いを果たします。それが、ヴィンテージのバンダナをリメイクすることでした。
彼はそこで見つけたヴィンテージのバンダナを縫い合わせることで、ヴィンテージながら全く新しいスカーフを作り出します。
(彼は同じ年にミリタリーカーゴパンツ、ビンテージデニム、オーバーオール、から作られたアップサイクルなバッグも製作しています。)
それは2010年のことで、その年からとうとう彼自身のブランド、【Dr.Collectors(ドクターコレクターズ)】をスタートさせることとなったのでした。
<突然の悲劇>
圧倒的な知識と類まれなセンスをもつオリビエと、現代的な感覚をブランドに吹き込む共同設立者で息子のテディ(Teddy Grasset)の手腕により、
【Dr.Collectors(ドクターコレクターズ)】は瞬く間に世界中のファッショニスタたちの注目を集めます。
2014年にはアメリカのカリフォルニアのSouth La Brea Aveに、旗艦店となるTrading Post By Dr.collectorsをオープンするなど、順風満帆のスタートを切ります。
https://tradingpostla.com/
https://tradingpostla.com/
しかし突然の悲劇が彼らを襲います。テディが強盗の銃撃によって亡くなってしまったのです。突然の悲報に、ブランド関係者はもちろんのこと、多くのファッション関係者たちが悲しみに暮れました。
後日行われた葬儀のドレスコードは、彼が愛してやまなかったインディゴ・ブルーに統一されました。
【Dr.Collectors(ドクターコレクターズ)】のこだわり
オリビエは、現在でも精力的に活動を行なっており、毎年独創的かつ興味深いコレクションを発表し続けています。
フランスからアメリカに渡ったヴィンテージ・ラヴァーの作るインディゴ作品は、全て自然のインディゴのみと、カリフォルニアの美しい陽の光で染め上げられています。
彼は市場に溢れる大量生産の服には魂がないと話しており、全てはロサンゼルスで少量生産され、自宅での仕上げを経て販売されています。
彼のヴィンテージ、そしてインディゴへの情熱は冷めることなく、常に圧倒的なクオリティとともに市場に投下されます。
それは日々感度の高いファッショニスタに新しい驚きを与え、また購買意欲を刺激しているのです。
Dr.collectors
Website:http://www.drcollectors.com
Address:126 South La Brea Ave. California 90036P: 323.424.4849
Store Hours:Monday-Saturday 11:30a-7pSunday 12p-6p
アンティークジュエリー:Country Gentleman
当ブランド、Country Gentlemanでは彼らと同じくヴィンテージやアンティーク素材のアップサイクルを得意とし、
具体的にはアンティークの銀食器を素材としたフォークバングルや、スプーンリングの製作・販売を行なっております。
こちらはアンティークのバターナイフ(Gorham社製)を、手首にフィットするよう丁寧にリメイクしたバングルです。
細部までこだわり抜かれたヴィンテージフォークはMedici oldと名づけられており、発表は100年以上も前の1880年という非常に希少価値の高いフォークから制作されています。
ずっしりとしたスターリングシルバーの重さも楽しめる、見た目にも重厚感のあるヴィンテージアクセサリーに仕上がっております。
次にご紹介するのが、ネイティブ・アメリカン・ジュエリーの中でも一部のファンに熱狂的な人気を誇る、バッテリーバードと呼ばれるネックレスです。
実はDr.collectorsのデザイナー、オリビエもヴィンテージもののバッテリーバードを身につけており、彼のコレクションにも度々登場します。
彼が持つヴィンテージバッテリーバードの存在感とまではいきませんが、
Country Gentleman製のバッテリーバードは、製法・そして何よりその素材にこだわって制作されており、その全てがヴィンテージ・アンティークのプラスチックやレコードなどから、制作されました。
中央に鎮座するターコイズは、ネイティブ・アメリカンが居住しているアメリカはアリゾナ産のもののみを使用し、ヴィンテージでありながら全く新しいバッテリーバードが誕生しました。
(詳しくはバッテリーバードの知られざる歴史とはをご覧ください。)
この他にも、Country Gentlemanでは様々なヴィンテージ・アンティークジュエリーを取り揃えております。
古き良き時代を感じられる、ヴィンテージ・アンティークアイテムをお探しのあなたにこそ、ご覧いただければ幸いです。
参考:
・https://www.wgsn.com/blogs/exclusive-interview-with-olivier-grasset-of-dr-collectors/ ・http://www.denimdudes.co/olivier-gasset/
・https://www.heddels.com/2016/09/teddy-grasset-of-dr-collectors-tragically-killed-in-nashville/
Country Gentleman
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