当ブランド、カントリージェントルマンでは、ヴィンテージ素材を使用した様々な作品を発表して参りました。
その中でも多くのお客様にご愛用をいただいている作品として、スプーンリングがございます。
本記事では、そのスプーンリングにまつわる様々な疑問に関して、お客様からのご質問などをもとに、正直かつ丁寧に回答をさせていただくことで、説明書のようにお読みいただけるような記事を目指し、執筆致しました。
スプーンリングをご購入いただく際の、ご参考としていただければ幸いでございます。
<目次>
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(当サイトではヴィンテージアクセサリーに関する知られざる歴史に関する記事を、多数執筆しております。スプーンリングの歴史などもご用意しておりますので、ぜひご覧くださいませ。)
指のサイズ(号数)の測り方
お客様から「スプーンリングのサイズ(号数)はどうやって決めれば良いのか」というようなご質問をいただくことがございます。
結局のところスプーンでできているとはいえ、リングであることに変わりはございませんので、ご自身の指のサイズさえ分かれば良いということになります。
指のサイズの計測はご自宅でも簡単に行っていただくことができます。具体的な方法は主に以下3つございます。
1:家にあるものでサイズを計測する
2:着用されているリングサイズから判断する
3:リングゲージを購入して計測する
1つずつご紹介させていただきます。
※蛇足となりますが、当カントリージェントルマンではご購入後にサイズが合わなかった場合、ご購入から1ヶ月間は何度でも無償でサイズの再調整を承っております。
1:家にあるものでサイズを計測する
まずご準備いただくものは以下の通りです。
・細長い紙(どんな紙でも問題ありません)
・ペン
・定規
はじめに、細長い紙を用意します。大体長さ10cm、幅5mm程度に紙を切り抜いて作成します。
(このときなるべく細長い紙で計測いただく方が、より正確なサイズを計測できることになります。)
次に、細長い紙をスプーンリングを着用されたい指に巻きつけます。(この時指に”ピタッ”と密着するように巻き付けていただくと、正確に計測できます。)
そして、巻きつけた紙の始まりと重なった部分にペンで印を付け、
細長い紙の始まりから印までを定規で計測します。
最後に、計測できた長さを以下の表と照らし合わせ、ご自身のリングサイズをお調べいただければ完了です。
(この他にも、糸であれば上記と全く同じ方法での計測が可能ですし、メジャーなどがあればそれを巻きつけていただくだけでも計測ができます。)
2:着用されているリングサイズから判断する
すでにご着用されている、ご自身がお持ちのリングサイズをご存知であれば、その号数でご注文をいただければスムーズに着用が可能です。
また、お近くのリング販売店様には指のサイズを測るための道具が用意されておりますので、そちらでリングをご購入される際に、「サイズを計測したいのですが」とお尋ねいただければ、その道具を使用して正確なサイズをご確認いただくことが可能となります。
3:リングゲージを購入して計測する
先ほどお伝え致しました、「指のサイズを測るための道具」とは、具体的には”リングゲージ”のことを指します。
※以下のような道具となります。
こちらのリング一つ一つには号数が記されており、これをリングを着用される指に一つずつはめていき、一番フィットするとお感じになられた号数が、最適なリングサイズとなります。
”リングゲージ”と検索していただければ、1,000円以下でもご購入いただくことが可能となりますので、リングを多くご購入される方の場合には、おひとつお買い求めいただくことをお勧め致します。
スプーンリングの素材について
スプーンリングには大きく分けて2つの素材がございます。
それが「スターリングシルバー」と「シルバープレート」です。
一つずつご紹介させていただきます。
スターリングシルバー製のスプーンリング
スターリングシルバーとは、そのスプーンが純度92.5%の銀で作られていることを表しています。
(スプーンリングの裏側に"STERLING"もしくはホールマークと呼ばれる刻印があるものはこのスターリングシルバー製となります。)
表面から内部に至るまで全てがシルバーで製造されており、銀本来の美しさ・輝き・燻しを感じることができる最上級の素材と言えます。
そもそも銀食器が隆盛を誇ったのは中世〜19世紀頃とされておりますが、その頃銀食器を保有できたのは金銭的に余裕のあった貴族や富裕層に限られていたとされます。
歴史の中でその多くは溶かされ、銀塊へと姿を変えてしまったものも多く、現在ではその量がどんどん少なくなっている、希少なヴィンテージ素材となっております。
※余談ですが、1600年代の希少なスターリングシルバー製スプーンや、芸術品のように細やかで豪華な彫刻が施されたスプーンなどは、現在でも1本で60〜100万円以上の高値で取引されるほどの非常に高い価値を持っています。
シルバープレート製のスプーンリング
シルバープレートとは、いわゆる銀メッキを施した食器のことを指します。
近年では多くの衣料店やアクセサリーショップでも手に入れることができるようになったスプーンリングですが、市場に出回るスプーンリングはこのシルバープレート製のものがほとんどとなっております。
芯材としてはニッケルや銅などの合金が用いられることが多く、その上から薄い銀の皮膜で包み込むことで、銀の輝きや特性を活かしています。
スターリングシルバー製のいわゆる銀食器は、庶民などの一般市民にはなかなか手が届かない高級品でしたが、19世紀に誕生した電気メッキ製法を用いた銀メッキによって、純銀のような輝きのスプーンが大量に生産されるようになり、
結果的に銀メッキのスプーン、フォークなどの食器は、一気に一般家庭にも浸透していくことになりました。
そのため、一般的にスターリングシルバー製のスプーンリングは高価であり、シルバープレート製のスプーンリングは低価格で購入が可能ですが、その理由はこの素材の価値、そしてそのスプーン自体が持つ希少性や芸術性によって大きく変動するためです。
余談ですが、スプーンリングの刻印に”EP”という文字が書かれているものもございますが、それはElectro Plating=電気メッキの略であるため、スターリングシルバー製ではなく、銀メッキ製であることがわかります。
スプーンリングのご購入を検討される方へのアドバイスをさせていただくとすれば、低価格で手に入るシルバープレート製のスプーンリングは、スプーンリングはどのようなものかお試しになられたいという初心者の方へ、お勧めできます。
もし歴史的な背景やその芸術性、希少価値に対して魅力を感じていただける方には、スターリングシルバー製のスプーンリングをお勧め致します。
※この2つの素材の違いについては、2種類の銀食器(スターリングシルバーとシルバープレート)のお話にてより詳しくおまとめしております。
ちなみにヴィンテージスプーンの中にはニッケルシルバーや金、錫合金などの種類もございますが、そちらに関してはまた別の機会にご紹介させていただきます。
スプーンリングのお手入れ
シルバーで作られたアクセサリーを身につけていると、必ず起こる現象が”黒ずみ”です。
実はこの黒ずみは”硫化”と呼ばれ、空気中に存在する硫黄分(硫化水素や二酸化硫黄等)と銀が化合することを指しますが、その硫化が銀製品の表面に皮膜を生じることにより、黒ずみとなります。
もちろん、黒ずんでくることをシルバーアクセサリーの経年変化における良さとして、そのままご着用をされている方もいらっしゃるため、この黒ずみに対する反応は様々ですが、
ここではスターリングシルバー製のスプーンリングの黒ずみを取り除く方法を、お伝えさせていただきます。
一番ポピュラーで簡単なお手入れ方法として挙げられるのは、「シルバーポリッシュで磨く」という方法です。
シルバーポリッシュとは銀を磨くための布のことで、ホームセンターはもちろん最近では100円ショップなどでも手に入れることができるようになっております。
この磨き布の中には、銀を磨いても磨き跡が残らないほどの微細な研磨剤などが含まれており、この布で磨き上げることで銀表面の硫化した皮膜を取り除くことができ、結果として元の美しい銀の輝きが取り戻せることになります。
その他にも、
「シルバークリーナーと呼ばれる液体に浸す」
「容器にアルミホイルと重曹と熱湯を入れて浸す」
などの方法もあります。
スプーンリングには磨き布では磨ききれない細かな彫刻が施されていることも多く、その場合にはこちらの方法の方が効率的にお手入れができます。
個人的には、黒ずみが少しずつ取れ、銀が元の輝きを取り戻していく過程がとても楽しく、もっぱらシルバーポリッシュで丁寧に磨き上げる方法を取っております。
※銀食器のお手入れに関しては、別記事でもご紹介をしております。
スプーンリングのサイズ調整
スプーンリングのサイズ調整は、いわゆる普通のリングとは製法も異なるため、宝飾店であってもあまり積極的には対応していただけないことかと思います。
※当ブランドからご購入をいただいたスプーンリングの場合には、ご購入から1ヶ月間は無償で何度でもサイズの再調整を承りますので、ご安心をいただければと思います。
スターリングシルバー製のスプーンリングの場合であれば、少しであれば自分で曲げることで調整できることもありますが、芯材が合金で作られているシルバープレート製の場合には、非常に硬いため自力での調整はほぼ不可能かと思われます。
一番重要なことは、ご購入の段階できちんとサイズの確認をしておくことだと言えます。
意外と気がつかない部分:スプーンリングの幅
スプーンリングにも様々な製法がありますが、製法によってはリングの幅をご確認いただいた方が良い場合がございます。
まず、はじめにスプーンリングの中でも代表的な3つの製法からご説明して参ります。
<シングルスタイル>
基本的なスプーンリングのスタイルであり、持ち手部分を垂直にぐるりと一回りさせる製法。
<ツイストスタイル>
持ち手部分をずらしながら曲げていくことで、ツイストさせる製法。
<ホールスタイル>
スプーンを丸ごと一つ用いて、一つのリングとする製法。
基本的にはこのような3つのスタイルの中から、ご自身で魅力を感じるものをお選びいただくことになるかと思われますが、この中でいうツイストスタイル・ホールスタイルの場合には、
ぜひ一度、ご着用いただく指の幅と、リングの幅をご確認いただければと思います。
※具体的には、画像内の赤い線の部分の幅をお調べいただければと思います。
なぜなら、手が小さい場合や、指が短い場合、逆にスプーンリングの幅が広い場合には、関節部分にリングが当たり、指が曲げづらくなる場合があるためとなります。
この点について触れているスプーンリングのブランドはほとんどないのではないかと思われますが、スタイルによってはリング幅と指の幅についてもあらかじめご確認をいただくことで、サイズの再調整などのお手間を省くことができます。
スプーンリングを愛するみなさまへ
カントリージェントルマンでは、スプーンを曲げてリングにしてお届けする。という単純な”作業”ではなく、そのスプーンが歴史的にどのような価値を持つのか、またどのような歴史をその身に宿しているのかを、一つ一つ深くまで掘り下げます。
そうすることでそのリングに対する捉え方は大きく変わり、単に”スプーンリングを身につける”というだけでなく、
その歴史や背景、そしてそのヴィンテージ素材自体が時を重ねることで身に纏ってきた、”威厳”や”貫禄”のような雰囲気も、同時に身に纏うことができると考えているからです。
これからもカントリージェントルマンは、一つ一つのヴィンテージ素材と真摯に向き合い、自信を持ってお送りできる作品だけをお届けしてまいります。
※当ブランドのスプーンリングはこちらからご覧いただけます。
Country Gentleman
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