top of page

新作入荷第3弾 ヴィンテージフォークバングル入荷のお知らせ

更新日:2021年1月26日

思わず誰かに語りたくなる、そんな歴史や背景をその身に秘めたヴィンテージアクセサリーたち。


今から50年〜100年以上前に発表・制作された銀食器などから、これまでいくつものヴィンテージバングルを制作してまいりました。


今回、また違った背景・歴史を持つヴィンテージバングルを多数入荷致しましたので、一つ一つの歴史を味わいながらご紹介させていただきます。

 

ヴィンテージフォークバングル<Berain>

ヴィンテージフォークバングル<Berain>

1907年に発表されたこのBerainというフォークのパターンは、今からなんと約113年前のデザインです。


"Berain"という単語は明確な意味が示されておらず、またこのBerainに関するデザインのモチーフがなんだったかという記録も判然としません。


ここからはあくまでも私の推察ではありますが、1900年台初頭という年代、このデザイン、そして"Berain"という名前から考えるに、


このデザインは”Jean Berain the Elder”という17世紀のオランダ生まれのパリの彫刻家・図案家と、なんらかの関係性があったのではないかと考えられます。


具体的には、以下が私なりの推察となります。


<年代>

1900年台はアール・ヌーヴォーと呼ばれる美術運動が盛んな時期であり、有機的なモチーフ(植物・生物)や、華麗で優雅なモチーフが人気であった。


<デザイン>

幾何学・植物の紋様が多用されており、アラベスク模様に近しい雰囲気を感じられる。


<Berainという名前>

ジャン・ベラン・ザ・エルダー(Jean Berain the Elder)はフランスの装飾芸術に新風を吹き込んだ中心人物のひとりとして、華麗で優雅なスタイルを得意としていた。


これらから考えるに、このデザインは彼となんらかの関係性があったのではないかと思いついた次第です。(あくまでも私の推察に過ぎませんが)


ちなみにこちらは彼がデザインしたとされる小さな机の上に描かれた紋様です。

Jean Berain the Elderがデザインした机

円、直線、曲線が折り重なって生み出される特徴的なデザインは、彼の影響を感じずにいられません。

左右対称の有機的な曲線とモチーフが魅力

ちなみにこのフォークが制作されたブランドはR. Wallace & Sons Manufacturing Companyですが現在ではWallace Silversmithとして知られています。


Wallaceの名を持つ社名は複数あり、実は以下のような社名の変遷を辿っています。


・R. Wallace & Company (1855-1865)

・Wallace, Simpson & Company (1865-1871)

・R. Wallace & Sons Manufacturing Company (1871-1956)

・Wallace Silversmiths, Inc. (1956-現代)


前置きが長くなりましたが上記のような背景はもちろんのこと、複雑でありがならも一定の美しきリズムを持つこのヴィンテージフォークは、


バングルに仕立てたことでさらにそのダイナミックな陰影を楽しむことができる、ヴィンテージフォークバングルとして生まれ変わりました。


サイズは手首周り16.5cm〜17.5cmの方に身につけていただける大きさとなっており、重さは約36gとしっかりとした重量感も楽しめる逸品となっております。


さらに、持ち手部分には当時の富裕層が職人に彫り込ませたモノグラムと呼ばれる刻印が刻まれております。

ヴィンテージの証であるモノグラム

ある意味では一つのヴィンテージの証として、このモノグラムはBerainをより一層味わい深いものにしてくれています。



 

ヴィンテージフォークバングル<GORHAM LOUIS XIV>

ヴィンテージフォークバングル<GORHAM LOUIS XIV>

今回ご紹介する作品の中で、もっとも古い歴史を持つのがこのヴィンテージフォークバングル<GORHAM LOUIS XIV>です。


こちらのパターンは1870年に世界的な銀食器ブランドGORHAMによって発表されました。1870年といえば、現在から遡ること約150年も前のカトラリーであることになります。


注目すべきは当時の富裕層・貴族層が、自らの持ち物であることを示すために職人に掘り込ませた、モノグラムにあります。

ヴィンテージの証であるモノグラム

持ち手裏に刻まれたモノグラムには”Dar..(判別不可の部分あり)Smith April 14th 1871”とあり、このヴィンテージ(もはやアンティークと言って良いでしょう)フォークが、


1871年に使用されていたことを示しています。


また、このフォークのパターンは、その名の通りルイ14世に関係しています。


ルイ14世は、17世紀のフランス国王であり、ブルボン朝第3代の王でした。


彼はその優れた政治的手腕により王朝の最盛期を築き、そのことから”太陽王”と称されるほどの偉大な王だったと伝えられています。


そんな彼の治世時であった1660年から始まったとされる、フランスのバロック様式と古典建築であった「Louis Quatorze」にちなんで、名付けられたとされるこの”LOUIS XIV”というパターンは、


そんな豊かな時代のスタイルを、あえて銀器によって表現されたものと言えます。

太陽王の名に恥じない美しいデザイン

あまりに豪華絢爛というわけでもなく、それでいて味気ないものでもなく、絶妙なバランスを保ちながらいくつものモチーフが印象的に配置されているこのフォークは、


バングルに仕立てることで着用する者の魅力を引き立ててくれるヴィンテージアクセサリーへと生まれ変わりました。


”本物”のヴィンテージアクセサリー、むしろアンティークと言っていいほどに古い歴史を持つこのフォークバングルを、ぜひこの機会にお試しいただければと思います。


 

ヴィンテージバターナイフバングル<Rose Point>

ヴィンテージバターナイフバングル<Rose Point>

こちらもWallace社製のヴィンテージパターンである、Rose Pointから制作されたヴィンテージフォークバングルとなります。


こちらのデザインはWilliam S. Warrenという高名なデザイナーによってデザインされた、伝説的な6つのパターン“Third Dimension Beauty collection”のうちの一つであり、


ローズポイント(1934年)、クリストファー(1936年)、ストラディバリ(1937年)、グランドバロック(1941年)、グランドコロニアル(1942年)、ロマンスオブザシー(1950年)の中で、


最も初期のデザインとなります。

3次元シリーズの最初のデザイン

デザインとしては有機的な中にも直線的なデザインが組み込まれており、中央のバラに注目が集まるようなモチーフの配置が特徴的なパターンです。


持ち手の裏側まで抜かりなく細やかな装飾が施されていることからも、当時のデザイナーの迸るような情熱を感じずにはいられません。

裏側まで美しく彫刻されたデザイン

サイズは手首周り15.5cm-16.5cmまでの方に身につけていただけます。


男性のみならず、女性にもお試しいただきたいヴィンテージバングルとなりました。ぜひお試しくださいませ。


 

再入荷-ヴィンテージバターナイフバングル<Sir Christopher>

ヴィンテージバターナイフバングル<Sir Christopher>

久々の再入荷となりましたのが、先ほどご紹介したRose Pointと同じく“Third Dimension Beauty collection”(3次元シリーズ)のうちの一つ、Sir Christopherのヴィンテージバターナイフバングルです。


年代的には1934年のRose Pointの次に発表された、1936年のデザインとなります。

スターリングシルバーで表現される植物たち

有機的なモチーフ(植物)が多用されていながらも、決して煩雑に見えることなくスマートな印象を与えてくれるこのデザインからは、デザイナーのセンスの良さを感じられます。


身につける方をスマートに見せてくれるヴィンテージアクセサリーとなっております。


手首周り15cmから18cmまでの方にご着用いただけますので、男性から女性まで幅広い方にお試しをいただければと思います。

 

ヴィンテージアクセサリーが持つ魅力


この記事を執筆しながら、「なんと効率の悪いことをしているのだろう」とふと思ってしまうことがあります。


作品の写真や、サイズ、重さなどの情報だけをお伝えすればそれで十分なのではないか、むしろこんな長ったらしいお話には興味はないのではないか、と。


しかし私は同時に、「秘められた歴史に想いを馳せることは、なんと楽しいことだろう」とも思うのです。


ヴィンテージアクセサリーには、その身に秘められた”歴史”や”背景”、何よりもイメージを無限大に膨らませてくれる”ストーリー”があります。


私はそんなストーリーにすっかり魅せられてしまったヴィンテージフリークの1人です。


だからこそ、語らずにはいられないストーリーを歴史の中から掘り起こし、その魅力の全てをお伝えしたいと思い、今日も可能な限り情報収集・分析に時を費やしてしまうのです。


本ブランドにご興味を持っていただく方々は、(失礼な言い方となってしまい恐縮ですが)「かなりニッチな方々」であると勝手ながら想像しております。


そんな皆様のご期待に添うべく、これからもヴィンテージアクセサリーに関する奥深い歴史を、紐解いていければと思うのです。


Country Gentleman


Comments


bottom of page