1907年に発表されたこのBerainというパターンは、今からなんと約113年前のデザインです。
R. Wallace & Sons Manufacturing Company(1871-1956)と呼ばれる、現在の世界的な銀食器の老舗ブランドWallace Silversmithの前身の会社の頃に制作されていたものとなります。
"Berain"という単語は明確な意味が示されておらず、またこのBerainに関するデザインのモチーフがなんだったかという記録も判然としません。
ここからはあくまでも私の推察ではありますが、1900年台初頭という年代、このデザイン、そして"Berain"という名前から考えるに、
このデザインは”Jean Berain the Elder”という17世紀のオランダ生まれのパリの彫刻家・図案家と、なんらかの関係性があったのではないかと考えられます。
具体的には、以下が私なりの推察となります。
<年代>
1900年台はアール・ヌーヴォーと呼ばれる美術運動が盛んな時期であり、有機的なモチーフ(植物・生物)や、華麗で優雅なモチーフが人気であった。
<デザイン>
幾何学・植物の紋様が多用されており、アラベスク模様に近しい雰囲気を感じられる。
<Berainという名前>
ジャン・ベラン・ザ・エルダー(Jean Berain the Elder)はフランスの装飾芸術に新風を吹き込んだ中心人物のひとりとして、華麗で優雅なアラベスクのような模様を制作したことがある。
これらから考えるに、このデザインは彼となんらかの関係性があったのではないかと思いついた次第です。(あくまでも私の推察に過ぎませんが)
曲線や有機的なモチーフが折り重なって生み出された"Berain"からは、人の目を惹きつける不思議な魔力の様なものを感じられます。
バングルに仕立てたことでさらにそのダイナミックな陰影を楽しむことができる、ヴィンテージフォークバングルとなりました。
サイズは手首周り17cm〜17.5cmの方に身につけていただける大きさとなっており、重さは約36gとしっかりとした重量感も楽しめる逸品となっております。
(それ以外のサイズの方は、一度お問い合わせくださいませ。)
さらに、持ち手部分には当時の富裕層が職人に彫り込ませたモノグラムと呼ばれる刻印が刻まれております。
ある意味では一つのヴィンテージの証として、このモノグラムはBerainをより一層味わい深いものにしてくれています。
こちらのモノグラムのものは1点限りとなりますので、ぜひこの機会にお試しをいただければと思います。
※本作品はヴィンテージ品となります。クリーニングを施しておりますが、経年変化により微細な小傷等も見受けられます。
その点につきまして、またヴィンテージの特性をご理解いただける方のみご購入くださいませ。
ヴィンテージフォークバングル<Wallace Berain>
素材:スターリングシルバー(純度92.5%の銀)
重さ:36g
サイズ:手首周り17-17.5cmの方(それ以外の方はご相談ください)
厚み:最大約2mm
最広幅:約2.3cm
最狭幅:約0.7cm
年代:1907年発表のデザイン